図書館の児童書コーナーで大人が子どもたちに読み聞かせている場面

この記事の要点

寄贈は、先方の方針を確認してから申し出ます。受け入れても、子どもが自由に手に取る棚に並ぶとは限りません。対象年齢と内容を簡潔に伝え、必要な冊数や送付方法を相談しましょう。

図書館や学校・園には本を送る前に問い合わせる

自分で書いた童話を、地域の子どもにも読んでもらいたい。図書館や学校、園への寄贈は、その届け方の候補です。ただし、著者の思いだけで受け入れが決まるものではありません。まず施設のウェブサイトや窓口で寄贈の案内を確認します。

受け入れ方針は館や施設ごとに違います。寄贈を受け付けていない場合や、内容を確認してから判断する場合もあります。受け入れられても、開架になるとは限りません。開架とは、利用者が自由に手に取れる棚に置くことです。保管や利用の方法は先方に確認しましょう。

学校なら図書室の担当や学校の窓口、園なら運営上の窓口に、相談先を尋ねます。知り合いの先生がいる場合も、その人への贈り物と施設への寄贈を分けます。児童や保護者への配布を希望するなら、蔵書としての寄贈とは別に相談が必要です。

対象年齢と内容は判断できる材料を添えて伝える

最初の問い合わせでは、書名、著者、内容、対象と考える読者、判型、ページ数などを簡潔に伝えます。販売している本ならISBNや購入先も資料にできますが、番号があるだけで受け入れが決まるわけではありません。

対象年齢は「子ども向け」とだけ書くより、どのように読んでもらう想定かを添えると伝わります。例:「小学校低学年が自分で読むことを想定した童話です。難しい漢字にルビを付け、章ごとに挿絵を入れています」。これは著者の想定であり、先方の選書を拘束する基準ではありません。

伝える材料書き方の例
物語の内容地域の川を舞台に、迷った友だちを探す物語
読み方の想定低学年の一人読み、または大人による読み聞かせ
文字と挿絵ルビの方針と挿絵の入り方を説明する
地域との関係地元の言い伝えを題材にした部分と創作部分を分けて示す
内容の確認用資料あらすじ、目次、代表的な本文ページを用意する

作品を長く褒める文章より、担当者が中身を把握できる資料が役立ちます。見本やデータの送付を求められた場合は、指定された方法と範囲に合わせます。実在の子どもの名前や写真があるときは、広く読まれることへの了解も見直してください。

選書では読者と施設の方針に合うかを考える

選書とは、その施設で利用する本を選ぶことです。一般には、利用する子どもの年齢、内容や表現、読みやすさ、情報の正確さ、既にある本との重なりなどが検討材料になります。地域に関係する内容や、繰り返し使える丈夫さを重視する場合もあります。

どの項目を重く見るかは施設によって違います。自費出版だから一律に不可、地域の話なら必ず採用、と決めつけないようにします。予算や置き場所、整理の作業など、本の内容以外の事情もあり得ます。

受け入れられない場合は先方の判断を尊重します。求められていない本を続けて送ったり、著者の希望する棚への配置を条件にしたりしないことが大切です。感想、展示、読み聞かせでの採用も、寄贈の当然の見返りとは考えないようにしましょう。

寄贈の手紙には申出の経緯と連絡先を書く

受け入れの了解を得たら、指定された冊数と送り先に合わせて発送します。寄贈の手紙には、宛先、事前に相談した経緯、書名・著者名、同封する冊数、対象読者と内容、連絡先を書きます。返送や返却の扱いも、事前の案内を確認します。

文例:「先日、寄贈についてご相談しました自作の童話をお送りします。地域の森を舞台にした、低学年の一人読みを想定する物語です。ご案内いただいた冊数を同封いたします。お取り扱いは貴館の方針にお任せします。ご不明な点は下記へご連絡ください」。実際の相談内容に合わせて直して使います。

署名や献辞を本へ書き込みたい場合も、先に可否を尋ねます。送付後は、どの版をどこへ何冊送ったかを控えます。担当者個人の住所を聞くのではなく、施設が指定する窓口へ届けてください。

学校の図書室や図書館は委託配本の対象外

お手軽出版の案内は「学校の図書室や図書館は委託配本の対象外。直接注文をもらうか寄贈する(注文用チラシのFAX送信・献本オプションあり)」です。学校の図書室や図書館へ届けるには、直接注文をもらうか寄贈する方法を考えます。書店向けの流通コースを選べば、学校や図書館にも自動的に配本されるという仕組みではありません。

購入を検討してもらう場合は、必要な注文情報や手続きを先方に尋ねます。寄贈を希望する場合は、受け入れの事前相談を進めます。注文用チラシの案内や詳しい条件は、学校・図書館についてのFAQで確認してください。

寄贈の代行には「献本(寄贈の代行) 1件1,000円+税(送料・梱包費込み)」というオプションがあります。これは発送等の代行で、蔵書への採用や開架を保証するものではありません。先方の了解、宛先、同封する手紙、必要な本の部数を確認し、費用と作業範囲を相談します。

本を多く作ってから届け先を探す前に、部数の決め方で確定した配布先と候補を分けましょう。読み聞かせで自作を紹介する予定があるなら、おはなし会での使い方も合わせて検討できます。

出典・参考

届け方や制作の疑問を相談する

配り先や流通の希望を整理して、運営会社の窓口へご相談ください。