この記事の要点
自分が権利を持つ作品は、読み聞かせにも使えます。他人の作品には一定の条件で許諾なしに読める場合がありますが、会場で読むことと録画・配信は別に考え、利用方法ごとに確認しましょう。
自分が権利を持つ童話は読み聞かせに使える
自分で書き、自分が権利を持つ童話なら、原則として自由に読み聞かせに使えます。子や孫に読むだけでなく、園や地域のおはなし会で、自作を子どもたちへ届ける方法もあります。主催者には、作品の内容と想定する聞き手を先に伝えます。
ただし、自分の本にも他人が描いた挿絵、借りた写真、歌詞などが含まれている場合があります。本文を読めることと、それらの素材を見せたり配信したりできることは分けて確認します。挿絵を大きく映すなら、依頼時の利用条件も見直してください。
出版や公募の契約で権利を譲ったり、利用の約束をしたりした作品も、現在の条件を確かめます。「自分で書いた」という事実だけで、すべての使い方を判断しないことが大切です。確認する項目は著作権の記事で整理できます。
おはなし会では主催者と読み方や撮影の扱いを決める
自作を使う場合も、会場の広さ、聞き手の年齢、持ち時間、絵を見せる方法を主催者と相談します。原稿を声に出して読み、どのくらいの時間がかかるか実際に確かめます。文章のリズムや会話の読みやすさは子ども向けの文体を参考にしてください。
たとえば、地域の昔話を基にした自作を読むなら、冒頭で題名と、地域の話を基に創作したことを短く伝えます。読み終えた後に子どもの感想を聞く場合も、正解を求める質問だけにせず、話したい子が話せる進め方を考えます。
会場での撮影を認めるか、主催者が記録を残すか、広報へ写真を載せるかは別々に決めます。子どもの顔や声が入る場合は、本人と保護者への説明・了解も必要です。著者の作品利用への同意だけで、参加者の撮影まで了承されたとは考えないようにします。
他人の作品は非営利・無料・無報酬の条件を確かめる
他人の童話や絵本を読み聞かせる場合、公表された作品を、営利を目的とせず、聞き手から料金を受けず、読み手にも報酬を支払わずに上演・口述するなど、一定の条件で許諾なく利用できる例外があります。口述は、文章を声に出して伝えることです。
ただし、参加費がないことだけで判断はできません。商品の宣伝を目的とする会や、出演に報酬が出る会などは、条件の確認が必要です。学校や図書館で行うという場所の名前だけで、すべての利用が自由になるわけでもありません。
読む作品の出版社や著作者団体が示す、読み聞かせの案内を確認します。迷う場合は、主催者、参加費の有無、報酬、読む範囲、絵を見せる方法をまとめ、利用の相談をしてください。出典を言えばどんな使い方でもよい、という意味ではありません。
会場で読めても録画や配信は別に確認する
対面の読み聞かせと、その様子を録音・録画すること、インターネットで配信することは別の利用です。非営利・無料・無報酬の上演等の例外が、そのまま録画や配信に及ぶとは考えないでください。別途、許諾が必要になることが多いため、公開前に確認します。
| 使い方 | 分けて確かめる内容 |
|---|---|
| 会場で読む | 作品が公表済みか、目的・参加費・読み手の報酬はどうか |
| 絵や本文を複写して配る | 読むこととは別に、複写や配布が認められるか |
| 音声や動画を記録する | 何を収録し、誰が保存・利用するか |
| 生配信する | 本文の朗読や挿絵の送信を認めてもらえるか |
| 録画を後から公開する | 公開先、期間、対象者、編集の範囲はどうか |
無料の配信、保護者向けの限定公開、短い抜粋でも、それだけで許諾不要とは判断できません。本文、翻訳、挿絵、背景に使う音楽など、含まれる作品を洗い出します。市販の本を持っていることや、自分で朗読を録音したことだけで、配信の権利が得られるわけではありません。
許諾の相談では作品と利用方法を具体的に伝える
問い合わせでは、書名、著者・画家・訳者、出版社、利用したい箇所と方法を示します。会場での実施と動画公開の両方を希望するなら、別々の項目にします。返事と利用条件は残し、誰が確認を担当したかも主催者と共有します。
文例:「地域のおはなし会で本作品の朗読を予定しています。会場での実施に加え、朗読と挿絵を収録した動画の公開も希望しています。対象箇所、公開先、公開期間をお伝えしますので、必要な手続きをご案内いただけますか」。参加費や報酬の有無も、実際の予定に合わせて添えます。
許諾を得た範囲から利用方法を変えるときは、改めて確認します。返事がない場合を許可とは扱わず、公開を保留する、権利を確認できた自作へ変更するなど、実施方法を見直します。個別の判断に迷うときは、出版社や著作者団体、必要に応じて専門家に相談してください。
自作の読み聞かせCDは収録と配布の条件を揃える
お手軽出版ドットコムの「CD・DVD付き書籍」の案内には、用途例として「絵本の読み聞かせCD」が挙げられています。自分の声で読んだ作品を、本と一緒に届けたい場合の相談先になります。文字中心の童話を収録したい場合も、対応方法や仕様を個別に確認します。
音源の制作をどこまで依頼できるか、収録データの形式、添付方法、費用は相談が必要です。本文の権利だけでなく、他の人が朗読する場合の了解や、音楽を入れる場合の条件も整理します。CDとして配る範囲と、後からネットへ公開する範囲は分けて決めておきましょう。
贈る日が決まっているなら、本と音源の確認を両方終えられるように制作の流れへ組み込みます。園などへ寄贈する場合は、音源付きの本を受け入れられるかも、先方に尋ねてください。