この記事の要点
配当表は、その学年末までに習う漢字の目安です。読めることを保証する表ではありません。漢字の学年に加えて言葉の意味を確かめ、読みやすさに合わせてルビとひらがなを選びます。
学年別漢字配当表は、その学年末までに習う目安です
児童書を書く大人が漢字を選ぶときは、まず読者の学年と読む時期を決めます。小学校の学年別漢字配当表は、学年ごとに学ぶ漢字を示すものです。「その学年末までに習う目安」として使い、その学年の子が初めから全部読めるとは考えないようにします。
出典は文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編』付録 学年別漢字配当表です。平成29年告示、2020年度実施の配当表に基づく字数は、次のとおりです。字数は各学年に配当された数で、累計ではありません。
| 学年 | その学年に配当された漢字 |
|---|---|
| 1年 | 80字 |
| 2年 | 160字 |
| 3年 | 200字 |
| 4年 | 202字 |
| 5年 | 193字 |
| 6年 | 191字 |
| 合計 | 1,026字 |
同じ漢字でも、音読み・訓読み、熟語の意味、送り仮名によって難しさが変わります。「生」を知っていても、本文に現れるすべての読み方を知っているとは限りません。既習の字だけでできた難しい熟語もあるため、字の学年と語の難しさを分けて点検します。
総ルビ・パラルビ・ルビなしは、読者と読む方法で選びます
ルビは漢字などに添える小さなふりがなです。読み方を助けますが、言葉の意味まで説明できるものではありません。難しい語にルビを付けるだけで済ませず、場面や言い換えから意味もつかめるかを見ます。
| 方法 | 付け方 | 向いている使い方の例 |
|---|---|---|
| 総ルビ | 基本的にすべての漢字に付ける | 習得状況が異なる読者にも、読みをたどる手がかりを用意する |
| パラルビ(部分ルビ) | 難しい語や名前など、選んだ箇所に付ける | 想定学年をもとに、読みづらい語を重点的に助ける |
| ルビなし | 原則として付けない | 語彙と表記で読みやすさを保てる作品や、ひらがな中心の文章 |
部分ルビなら、「学年を超える字」「人名・地名」「特別な読み方」など、付ける基準を先にメモします。初出だけに付けるか、後の章にも付けるかも揃えます。間を空けて読む子が前の読み方を覚えているとは限らないため、再び付けた方がよい箇所もあります。
ひらがなばかりで読みにくい文は、言葉の区切りを作ります
漢字をひらがなにすることを、編集では「開く」といいます。ただし全部を開くと、どこまでが同じ言葉か見つけにくくなる場合があります。分かち書き、読点、必要な漢字への戻しを使い分けましょう。次は自作の例です。
| 工夫 | 直す前 | 直した例 |
|---|---|---|
| 分かち書き | こねこがにわではねました。 | こねこが にわで はねました。 |
| 読点を加える | あめがやんだらそとにいこう。 | あめがやんだら、そとにいこう。 |
| 漢字を使う | にわにはにわのにわとりがいます。 | 庭には、二羽のにわとりがいます。 |
最後の例は、読者に応じて漢字へルビを添えます。分かち書きは音節ごとに空けるのではなく、意味のまとまりで区切ります。「どこで空けるか」を作品内で揃え、会話だけ不自然に細切れになっていないかも確認します。
漢字に戻すことだけが解決ではありません。「にわとりが、庭にいます」のように語順や内容を整理する方法もあります。幼い読者には、区切り方より先に一文の情報を減らした方が伝わる場合もあります。
Wordでルビ付き原稿を作るときは、読みと配置を確認します
お手軽出版ドットコムの案内では、ルビ(ふりがな)は Word のルビ機能で付けるか、テキスト原稿なら括弧の中に書いて伝える。ルビの大きさは本文の半分が一般的。Wordでは、本文の上に小さい文字を手作業で置くのではなく、ルビ機能で親文字となる語と読みを対応させます。
- ふりがなを付けたい漢字や語句を選択します。
- [ホーム]の[フォント]から[ルビ]を開きます。
- 候補の読みを確認し、人名や特別な読み方は直します。
- 配置と文字の大きさを確認し、前後の行と重ならないかを見ます。
画面の構成はWordの版や利用環境によって異なります。Wordのルビ機能の案内を参照してください。自動で出る読みをそのまま確定せず、送り仮名を含む範囲や、語のまとまりも点検します。PDFなどの確認用データでも、ルビが欠けたり本文へ重なったりしていないか読み返します。
テキスト原稿では、括弧がルビの指定だと伝えます
テキスト原稿には、Wordのような位置付きのルビを保持できません。お手軽出版ドットコムでは、漢字の後の括弧に読みを書き、入稿時に括弧内がルビだと伝える方法を案内しています。指定例は「森(もり)の入口(いりぐち)」です。
本文の補足説明にも括弧を使う場合は、ルビと混同されないよう担当者へ区別を伝えます。読みを付ける語の範囲も曖昧にしないことが大切です。具体的な渡し方はテキスト原稿の案内を参照してください。
学年チェックの後に、言葉の意味と紙面を読み直します
漢字の学年チェックは、原稿に含まれる漢字の配当学年を調べるための補助です。想定学年を超える字を見つけたら、ひらがなへ開く、ルビを付ける、語を言い換える、という候補を比べます。ツールだけで、子どもが読める文章かどうかの判定を終えないようにします。
例えば物語の大事な道具の名前なら、言い換えずに説明を添えて残す方法もあります。人物名の読みは本文・目次・挿絵の説明で揃えます。最後に本文の組み方で行間や文字の大きさを確かめ、子どもに読んでもらう段階で言葉を尋ねられた箇所を記録します。