見積もり用のメモと電卓、紙見本、大きさの違う児童書の見本

この記事の要点

身近な人に渡す私家版なら、家庭での印刷や少部数の製本も選べます。本文を組む作業、製本の仕上がり、販売の予定を分けて考え、自分で担当できる工程に合う方法を選びましょう。

身近な子どもに渡す私家版は用途から方法を選ぶ

自分で書いた童話を、子や孫、教室の子どもたちに読んでもらいたい。そうした私家版の児童書なら、家庭での印刷から自費出版会社への依頼まで選択肢があります。私家版は、身近な人への配布などを目的に、個人で作る本です。

まず、手元の原稿を冊子にして試し読みしたいのか、記念に長く残す本を贈りたいのかを決めます。読み終える前に紙が外れると困る本と、内容を確かめる仮の冊子では、求める仕上がりが違います。販売の予定も、この段階で分けて考えましょう。

ここでは文字中心の童話や読み物を扱います。絵を描く工程や見開きの構成など、手作り絵本の詳しい作り方は絵本出版ガイドを参照してください。

家庭のプリンターなら試し読み用の冊子を作れる

文章ソフトで本文を整え、家庭のプリンターで出力し、綴じる方法があります。誤字を直してすぐ刷り直せるので、子どもに見てもらい、文字やルビの読みやすさを確かめる段階にも向いています。

両面で刷るなら、表裏の向きと余白を確かめます。紙を折って綴じる冊子は、画面で読む順番と印刷時のページ配置が異なる場合があります。使うソフトやプリンターの冊子印刷設定を確認し、まず見本を作ってページがつながるか点検します。

子どもに渡す前には、留め具の先端、切り口、外れやすい部品も確認します。枚数が増えると家庭用の道具では綴じにくくなるため、無理に厚い束を留めないようにします。紙とインクの費用だけでなく、印刷し直す手間や仕上げの時間も見込みます。

ネット印刷や一冊だけの製本は入稿条件を先に読む

ネット印刷は、ウェブから印刷用データを送り、印刷・製本を頼む方法です。自分で本文の配置を完成できる場合に検討できます。受け付けるデータ形式、ページ数、用紙、余白などの条件は、依頼先ごとに確かめます。

一冊だけから受け付ける製本サービスも選択肢です。大切な子への贈り物や、手元に残す見本に使えます。ただし、選べる判型、製本方法、ルビ付きの文章を作る手順はサービスによって異なります。「一冊から」という条件だけで選ばず、紙面の自由度も確認しましょう。

どちらも、原稿を送れば文章や読みやすさまで整えてもらえるとは限りません。誤字の確認、画像の粗さ、文字の欠け、ページ順を誰が点検するかを調べます。料金は作りたい仕様で各依頼先に確認し、送料や見本の有無も合わせて比較します。

自費出版会社との違いは組版と流通まで含めて比べる

組版とは、文字の大きさや行間、ルビ、挿絵を整え、本文のページを作る作業です。ISBNは本を識別する番号で、印刷・製本を頼むこととは別に扱います。身近な人へ配るだけなら、必ずISBNを付ける必要はありません。

比較する点家庭で印刷・製本ネット印刷・少部数製本自費出版会社
組版著者が作る完成データや指定の編集画面で作ることが多い依頼できる範囲を相談する
ISBN・流通著者が別途考える印刷とは別。対応の有無を確認する販売コースやISBNの扱いを相談する
部数自分が作業できる範囲最少部数はサービスごとに違う制作・流通コースごとの条件がある
品質用紙、機材、綴じ方と作業に左右される選べる用紙・製本とデータの状態で変わる仕様と校正方法、実物見本で確かめる
著者の手間印刷と仕上げまで担当する主にデータ作成と入稿前の点検を担当する依頼範囲を決め、原稿準備と著者校正を行う

これは一般的な比較です。同じ種類のサービスでも作業範囲は異なります。自費出版会社に頼む場合も、内容の確認をすべて任せられるとは考えず、どこを自分が確認するかを決めます。

ルビと挿絵のある紙面で仕上がりを確かめる

見本には、文章が続く部分だけでなく、会話やルビ、挿絵がある部分を選びます。たとえば「小さな判型で、会話の多い童話を家族に贈る」なら、読みやすい文字を置いたときのページ数と、綴じ目の近くの読みにくさを見ます。

画面を拡大すれば読めても、実物ではルビが小さすぎることがあります。家庭で出力した紙の色は、依頼先の印刷結果と同じとは限りません。色を重視する挿絵は、何で確認できるかを依頼先に尋ねてください。

本文を自分で作るなら組版とレイアウト、判型や綴じ方に迷うなら本の大きさと製本で仕様を整理します。手作業の味わいと、日常的に開きやすいことの両方を考えて選びましょう。

任せたい作業が増えたら原稿の状態を見せて相談する

「本文は書けたがルビや挿絵の配置が難しい」「園で共有するので仕上がりを揃えたい」と感じたら、自費出版会社へ必要な工程だけ相談する方法があります。お手軽出版は「最少16ページ・10部から(10部単位。オフセット印刷は30部から)」です。一冊だけの制作を希望する場合は、その条件に合う方法を選びます。

依頼するときは、完成した原稿、途中の紙面、挿絵、配りたい部数を見せます。家庭で作った見本も、希望を伝える材料になります。費用の確認と部数の決め方を参考に、仕上げに使える時間も含めて判断してください。

出典・参考

仕様を決めたら、費用を確かめる

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