判型の違うハードカバーの児童書と挿絵入りの校正刷り

この記事の要点

挿絵は場面を理解する手がかりになり、読む途中の休みにもなります。挿絵なしでも出版できます。入れる場合は必要な場面を選び、画風、点数、大きさ、料金、修正と利用範囲を先に決めます。

読み物の挿絵は理解の手がかりと読む休みになります

童話を書く大人が挿絵を考えるときは、どの場面で読者を助けたいかを起点にします。登場人物の姿、見慣れない道具、場所の関係が分かると、子どもは文章の続きを想像しやすくなります。長い本文の途中に絵があることで、目を休める区切りにもなります。

例えば、森で道が分かれる話なら、道と目印の木を描くと主人公の選択が伝わります。一方、「この先に何がいるのだろう」と期待させる場面で、答えとなる人物を先に見せると驚きが弱まります。文章の情報を全部絵にする必要はありません。

挿絵のない童話や児童文学も出版できます。言葉から情景を思い描いてほしい場合や、文字中心の読み物としてまとめたい場合もあります。絵を用意できないことだけを理由に、本づくりを諦める必要はありません。

挿絵の点数は要所の数点から場面ごとまで幅があります

点数に共通の正解はありません。少なめなら物語の要所に数点、絵を多く見せたいなら章ごと・場面ごとに置くなど、幅を持って考えます。これは制作案の目安で、読者の年齢、文章量、判型によって変わります。まず絵のない本文を読み、手がかりがほしい場所に印を付けます。

入れ方使い方の例注意すること
ページ全面山場の風景や大きな動きを見せる次の本文とのつながりや、先の展開の見せすぎ
ページの半分ほど登場人物のやり取りを本文と一緒に見せる本文が細切れにならない配置
小さなカット手紙、鍵、動物などの手がかりを添える縮小しても必要な形が分かるか

同じ点数でも、全面のカラー絵と小さなモノクロのカットでは作業量が異なります。依頼前に「場面・大きさ・カラーかモノクロか・役割」を一覧にしてください。配置を決める手順は本文の組み方で説明しています。

自分の絵・家族の絵・画家への依頼を選べます

自分で描くなら、物語の意図を直接絵にできます。家族に頼む場合は、同じ物語を別の人の目で表してもらえる楽しみがあります。画家に頼むなら、人物や色の雰囲気を作品全体で揃える相談ができます。上手さだけでなく、作品に合うか、予定どおり完成できるかも考えます。

家族や知人への依頼でも、描いてもらった絵をどこに使うかは先に共有しましょう。本だけでなく、表紙、チラシ、Webでの紹介にも使いたいなら、その範囲を伝えます。名前の掲載方法や謝礼も曖昧にしないほうが、完成まで進めやすくなります。

お手軽出版の「絵本の作り方」には、お話だけでもよい。作風に合ったイラストレーターを紹介してもらえる(原稿用紙3枚からでも絵本を作れる)という案内があります。これは同社の絵本制作の説明です。文字中心の童話に部分的な挿絵を入れたい場合は、原稿と挿絵の一覧を用意し、希望する作風と依頼範囲を相談します。

イラスト作成料金は大きさと色の条件付きで読みます

お手軽出版のイラスト作成は、専門のイラストレーターによるオリジナルイラストの制作です。公開料金は次のとおりです。いずれも税込で、表の大きさの条件があります。

作成するイラスト料金(税込)
モノクロ(B6サイズ以下)4,400円/1点
カラー(B6サイズ以下)11,000円/1点

B6サイズより大きいイラストは問い合わせ。1冊分の挿絵は点数と大きさで見積もり。この単価は、児童書全体の制作費や、絵本の全場面をまとめて描く料金ではありません。必要な点数と掲載する大きさを伝え、表紙用の絵も含めるのか確認します。

「やさしい感じ」だけでは希望が伝わりにくいので、「細い線で、主人公の表情が分かる絵」「背景は控えめで、夜の青を生かす」など、自分の言葉を添えます。参考作品は雰囲気を説明する資料とし、その絵や既存のキャラクターを写す依頼にはしないでください。

手描きの原画はスキャンして印刷用にできます

紙に描いた絵は、スキャンして画像データにできます。お手軽出版のスキャニングの公開料金は、原画の大きさとカラー・モノクロで異なります。表は原画のスキャン料金で、絵を描く料金とは別です。

原画の大きさスキャン料金(税込・1枚あたり)
A5以下カラー 1,100円・モノクロ 880円
A4以下カラー 1,650円・モノクロ 1,100円
A3以下カラー 2,200円・モノクロ 1,650円

1枚あたり。A3を超える原画は相談。凹凸のある作品は使えない場合がある。原画に番号を付け、本文の挿入位置と照合できるようにします。紙の質感、淡い色、凹凸など、残したい特徴を伝えてください。画面で見た色と印刷結果が気になる場合は、色校正の方法と費用も確認できます。

ここでは読み物に添える挿絵を扱っています。絵本としてページいっぱいに原画を描く方法や、見開きで展開を考える方法は絵本出版ガイドへ進んでください。

依頼前に修正・納期・権利と名前の表記を決めます

依頼時には、画風、点数、掲載サイズ、色、完成希望日を伝えます。線や構図の下案をどの段階で確認するか、料金に含む修正回数、完成後の描き直しの扱いも相談します。本文の変更で絵を描き直す場合があるため、場面の内容を固めてから依頼すると手戻りを減らせます。

権利については、絵を使える媒体、増刷、電子版、宣伝での使用、切り抜きや色変更の可否を確認します。著作権を譲り受けるのか、定めた範囲で使わせてもらうのかも分けて取り決めます。支払いだけですべての利用が可能になったと考えず、合意内容を文書に残してください。

記入例は「本文カットはモノクロ、表紙は別途相談。下案で構図を確認。修正の範囲、納期、紙の本と紹介ページでの使用、絵の作者名の載せ方を合意する」です。著作権と挿絵の権利を読み、文章と絵の作者が安心して本を届けられる条件を整えます。

出典・参考

紙と本文の見本を見ながら決める

文字の大きさやルビは、実寸の見本で読みやすさを確認しましょう。